全ての企業には、企業独自のストーリーがあります。
そのストーリーは、どのように生まれ、どのような価値をもたらすのでしょうか?また、そのストーリーはどのように伝えられるべきなのでしょうか?
最も有効な方法は、自身の企業に関する「話題」に落とし込み自社に合った形式で伝えていくことです。それでは、どのように企業のストーリーの基盤となるような「話題」を見つけるのでしょうか?
ここで、いくつか有効な手段をご紹介します。
5W1H テクニック
例えば、「クラウド」に関する記事をあなたが書くことになったとしましょう。「クラウド」とは「話題」でしょうか?いえ、まだ「話題」とは言えません。「話題」とは、市場に関する答えられるべき「問い」から生じるものです。
それでは、どのようにその「問い」を見つければよいのでしょうか?
ここで有効な手段が、5W1H(Why, Who, Where, When, What, and How)を用いたテクニックです。
例えば:
- 5年後のクラウドサービスはどうなっているだろうか?
- どうしてクラウドはあらゆるIT戦略の礎石になっているのだろうか?
- クラウドサービスがどのように既存のビジネスモデルを書き換えたのか?
- クラウドサービスの一番の魅力とはなにか?
- どのようにしてレガシーシステム(旧来のシステム)がクラウドへと変革してきたのか?
もしこれらの問いの答えが、あなたのターゲット層にとって重要なものであれば、それが必然的に「話題」となります。
エッセンスの分解
話題の発掘に行き詰った場合は、その製品を構成する要素、即ちエッセンスを分解することも効果的です。私たちの生活の身近にあるネジを例に取って考えてみましょう。
ネジ素材は金属や木製などが使われ、ヘッド部分はあらゆる形状のパーツと溝(十字型、縦型、トルクス型 )があります。さらに物流プロセスを考えてみると、誰かに購入され、最終的には建築現場などで使われています。このように、その対象の構成要素や過程を細かく分解することで、より多くの切り口が見えて話題となる分野を広げることができます。
企業のストーリーと商品を関連付けて伝える
従来のマーケティングコミュニケーション手法では、主に「商品関連の情報」が中心であることに対し、ストーリーテリングはその商品と企業との文脈に焦点を当てた手法です。
- 企業のどのようなストーリーを伝えるべきでしょうか? -
例えば、「品質」に関する側面をコミュニケーションにおける重要事項と捉えた場合、自社を振り返りその側面に関するストーリーを見つけ出す必要があります。先程のネジの話を例にとると、「私達の最高作」というタイトルの記事(ストーリー)をつけることで、その記事を通してネジだけでなく企業の「品質」へのこだわりも同時に伝えられるはずです。
見出しを考える
新しいアイデアを考えたり、慣れ親しんだ話題に新たな魅力を加えるために、どの媒体でどのようなテーマについて書いたら良いか思考を巡らせることがあると思います。
例えば、「FORBES」という雑誌に記事を投稿する場合、ビジネス要素の強い見出しを思い浮かべる方が多いと思います。もし仮に先程のネジに関する記事を「FORBES」ではなく「ART Collectors」という雑誌に載せることになった場合、見出しの付け方が変わってくるはずです。このように、企業の「話題」を別の角度から捉えることも効果的です。
もし〇〇だったら?
この仮定法は、ストーリーを生み出す際の定石です。多くの脚本家や著者が、物語の要約や重要な出来事を書き上げる際に使用している手法です。
- もしもあなたの企業の製品やサービスが存在しなくなったら、世の中はどうなるでしょうか?
もしも火星飛行が企業の最初のミッションであった場合、企業の提供する商品やサービスはどのように貢献できるでしょうか?その際に、どのようなシナリオが考えられるでしょうか?
「話題」になる為の条件とは?
いかなる場合においても、ある情報が市場に認知されるためには、
-
- 話題性
- 関連性
- 娯楽性
最低でもこれらの条件の1つを満たしている必要があります。
それに加え、インスピレーションを刺激する、議論を呼ぶ、特筆性がある、親和性がある、流行的である、もしくは流行に逆行した内容を含む話題であれば、拡散力がより大きくなります。このような「条件」を念頭に置いている人・企業は、話題を見つけるための「基本」を身に付けていると言えるでしょう。
ストーリーメーカーは企業の物語の軸となる要素を見つけ出し、ストーリー開発(メイキング)のお手伝いをしています。ご不明点やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。