皆さんは変なホテルをご存知でしょうか?エイチ・アイ・エスグループ (以下H.I.S.)が展開しているロボットホテルで、2015年7月に長崎県佐世保市にあるハウステンボスに一号店がオープンし、2016年には初めてロボットが働くホテルとしてギネス世界記録に認定されています。

今回は5月下旬の日本出張時に変なホテル東京 銀座に滞在してきました。

今回の滞在中、変なホテル東京 銀座の中村考宏マネージャーに取材をさせて頂く機会があり、変なホテル東京 銀座のご紹介に加え、大変貴重なお話を聞かせて頂くことができました。中村さんは新卒としてH.I.S.に入社し、その後変なホテル東京 銀座を立ち上げる社内公募に自ら応募したそうです。H.I.S.は新しいことを社員にどんどん挑戦させる社風があり、元々一から立ち上げる経験をしてみたいと考えていた中村さんにマッチングしたようです。

変なホテル東京 銀座中村マネージャー

変なホテル東京 銀座中村マネージャー

(聞き手: 齋 直杜)
「変な」とは、「奇妙な、変わった」という意味に捉えられがちだと思いますが、この「変なホテル」とは実際何を意味しているのでしょうか?また、変なホテルについて簡単にご説明をお願い致します。

中村考宏氏:実際に、「変なホテル」は「変わったホテル」だと認識されることが多いと思います。しかし、私たちはこの「変」を「変化」の「変」として使用しており、このホテルは、変わり続けることを約束するホテルとして「変なホテル」と名付けられました。現在、長崎県ハウステンボスにある変なホテルに加え、愛知に1つ、東京には4つの変なホテルがあり、今後は3つのホテルが東京にオープン予定です。その後、西日本エリアにも展開していく予定となっています。
宿泊施設不足・人手不足の解消や労働の効率化を目指して、最新ロボットを導入した変なホテルが誕生しました。ちなみに、変なホテルのロゴは蝶(オオムラサキ)と竹を組み合わせたものです。蝶は幼虫から蝶になるまで変化し、竹はその成長速度が速く、常に変化していくことを意味しています。

変なホテルで実際に働かれている「人」はいらっしゃいますか?

中村氏:はい、変なホテル東京 銀座では受付にスタッフが居り、受付ロボットと協同でチェックインなどを行っています。セキュリティ面は最も大きな課題であり、ロボットは緊急事態に対応することができないため、宿泊者の方々の安全のために常時スタッフを配置しています。

人とロボットの協同は興味深いテーマですが、変なホテルにとっての人とロボットの協同とはどのようなものでしょうか?

中村氏:人間とロボットの協同としては、簡単な作業やデータ収集(チェックイン時のカードデータの読み込み等)などはロボットが行い、クリエイティブなアイデアに人が時間をかけて取り組むことで、新しいサービスが生まれていくのではと考えています。

ロボットを導入するにあたり最も困難な点はどこでしたか?

中村氏:現状ロボットではお客様のニーズや緊急事態への柔軟な対応が難しく、最新技術で出来ることをサービスに置き換えたときに、まだまだロボットの進化は必要です。しかし、変なホテルのコンセプトにある 「変化し続ける」はまさにその通りであり、お客様のニーズに対しロボットが出来ることをマッチングさせることは、この「変なホテル」だからこそ挑戦できることだと思います。

変なホテルにはどのようなロボットが導入されているのでしょうか?

中村氏:当ホテル受付付近には、受付ロボット、窓を自動で拭く機械、移動空気清浄器やルンバの4つを導入しています。お部屋には服の除菌や消臭、更にはしわの除去効果もあるLG Stylerを始めとし、海外からのお客様がお好きなコンテンツを楽しめるようにとグーグルクロームキャストも導入しました。無料で貸し出しのスマートフォン「handy」は、別の部屋にあるhandyへの連絡が簡単にできるため家族連れに人気です。加えて、このhandyはリモコンにもなり、部屋の明かりやエアコンを調整でき、最終的には部屋の鍵にも生まれ変わります。

海外からの宿泊者も多いですか? 彼らにうけている点はどこでしょうか?

中村氏:変なホテル銀座は日々約3割の訪日観光客にご利用頂いています。2020年の東京オリンピックに向け東京という都市はかなりの注目を浴びていますが、その中でも銀座という街は東京に来る約半数の訪日観光客が訪れる街となっており、また当ホテルは訪日観光客に人気の築地市場にも徒歩10分圏内と好立地であるため選んで頂けていると思います。

変なホテルの受付ロボットは何カ国語まで対応していますか?

中村氏:日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に加え、現在は通訳アプリなどの導入により多言語化を実現していこうと考えています。

今後ドイツや欧州で変なホテルをオープンする予定はありますか?

中村氏:今のところ予定はございません。

どうもありがとうございました。

ストーリーメーカーは、ドイツや欧州市場への進出時や現地での認知促進を望む日系企業に対して、最適なコミュニケーション戦略の立案・施行を行っています。テクノロジー企業の独・欧州進出支援をする一方で、私たちストーリーメーカーも常に最新の技術や製品に関心を持っています。

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